私は1か月間、阪神野田駅前クリニックに地域研修としてお邪魔し、地域での医療の在り方を学びました。

地域医療を教科書的にしか知らなかった私にとって、非常に得るものの多い1か月間となりました。研修は主にクリニックの外来見学と訪問診療同行の2つでした。

外来見学では、院長外来の見学に加え、私が将来皮膚科に進むことを考慮してくださり、皮膚科専門外来の先生にもつかせていただきました。診察間で疾病や治療の解説をいただいたり、顕微鏡を見せてくださったり、基本的な診察からやや専門的な知識まで広く教えていただきました。

訪問診療では、医療が必要であるが通院困難な患者さんの自宅に直接伺いました。

外来で患者さんの口から聴く情報と実際に目で見る自宅環境(段差や冷暖房、ストーブ、衛生面など)には大きくギャップがあると感じました。

在宅医療では、実際に患者さんの生活環境に入ることで危険なものを指摘したり、より良い環境をアドバイスすることができ、それらは在宅医療の大きな強みだと考えます。また、定期的な診察を行う訪問診療とは別に、急な発熱で体調を崩された患者さんの往診にも同行することができました。

週に何度も往診に伺い、先生方の判断と医療、患者さんの経過に合わせてより適切な医療に変更するなど、今後自分が一人で行わなければならない診療の流れを近くで見る機会は大変貴重でした。さらに在宅医療の一環として、医師だけでなく、訪問看護師や理学療法士、ケアマネージャーの方に同行する機会も作っていただきました。

同じ患者さんに対して複数の職種からのアプローチを見ることができ得られる情報の多様さに驚きましたが、加えて職種ごとに得た情報をメッセージアプリで共有されており、より質の高い、効率的な医療を患者さんに提供することができていると感じました。

 今回の地域研修を通して、患者さんとその生活に寄り添った医療の形があることを学び、多職種連携の重要さを強く感じました。

また、医療の知識の面でもいろいろな先生方にご教授いただきました。毎日記入した振り返り用紙の内容を受けて先生方は指導内容を変えてくださり、少し恥ずかしいながらもとても嬉しく思いました。

クリニックの看護師さんはじめスタッフの方々も大変親切で、穏やかで明るい雰囲気の院内は大変心地よかったです。

この研修で学んだ多くのことは、地域医療に携わる際だけでなく、どのような医療現場であっても患者さんと関わる際に大切にするべきと感じます。このような機会を用意してくださったクリニックの院長はじめ、訪問診療・外来の先生方やスタッフの方々に感謝申し上げます。